株式会社キノックス

なめこの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)

【なめこ】
なめこの画像

なめこは東北地方を主体に原木を使って栽培されて来ましたが、園芸化の進む農業の中で、平野部でも栽培が可能で、また資金の回収が早いなどのことから、オガコを利用した容器栽培が一般的です。なめこのブロック栽培は、原木栽培から空調栽培へ移行する過程で採用された方式でありますが、施設で周年栽培されたなめこより食味性が優れていることから、原木なめこ同様に珍重されるようになっております。栽培に当たっては自然温度で管理することから、夏越しの際の高温対策に留意することが大切です。 ◆なめこの詳しい情報◆

品種
発生温度
特長
販売品目
なめこ(中生)
7~15℃
>中肉、生・加工両用、株中発生に休みが少ない
菌1500cc

その他のなめこの品種の特性に関しては、こちらを御覧ください。

自然栽培におけるきのこの仕込み時期は、害菌の混入を防止する目的で、空気中の浮遊菌数の少ない2~4月に行う。特に、降雪量の少ない年は、殺菌終了後の放冷工程において害菌類が混入しないよう慎重に作業を行う必要がある。

1、培養基の作り方

・広葉樹オガコを使用し、栄養源としては、米ヌカ:フスマ=7:3(重量比)の割合で、培地総重量の10%となるように添加する。
 オガコが細かい場合には、チップダストを30%程度混合する。
・栄養源は、培地総重量の10%程度添加する。(1ブロック当たり200~250g)
・pH調整剤として、消石灰、あるいは炭酸カルシウムを0.2~0.5%添加。
・培地含水率は64~65%に調整する。

 

2、袋詰めと殺菌

・耐熱性のガゼット袋(450×200×320mm)を使用。
・培地の充填量は2~3kgで、ボックス型(200×120×150mm)に押圧し、培地中央部に太さ20~30mmの穴を4~6箇所開ける。
・袋には専用のキャップを取り付け、口封じを行う。
・殺菌は培地内温度が98℃以上に上昇してから、4時間の常圧殺菌を実施する。

常圧殺菌釜
常圧殺菌釜


培地が厚く内部温度が上がり難くなることから、必ず培地内温度を測定する。(殺菌工程を特に慎重に行うことが成功のポイント)

 

3、接種

・充分に消毒した専用の接種室で行う。
 殺菌後の培地を短時間で放冷し(急冷厳守)、培地温度が20℃以下になってから接種する。(菌床温度が下がり難いことから、菌床温度を測定してから実施)
・フィルターと共にキャップの上ぶたを外し、消毒したスプーン等で種菌を30~40ccずつ接種し、素早くキャップを元の状態に戻して口封じを行う。

 

4、培養

・箱栽培と異なり仮伏せは不要で、接種後直ちに本伏せを行う。
 凍結の可能性がある場合には、全体を断熱材やシート等で覆い、保温を図る。(5℃以下にしない管理が理想)
・夏越しは、通風、水はけ管理に留意する。(通風管理により、温度上昇の抑制を図る)
水はけ良好な場所で、湿度を低めに管理することが大切である。

 

5、発生と収穫

・発生管理は、7~15℃の温度と90%前後の湿度を保持する。
・発生操作は次の手順で行う。
キャップを持ち上げて、菌床から袋を剥がし、酸素を供給する。
 ↓
袋の上から夕方毎日散水する。(朝、夕の2回散水が効果的)
 ↓
芽切りを確認してから、袋上部を除去する。
 ↓
菌床表面を乾かさないよう、散水を継続する。
 ↓
収穫が始まったなら、散水は控えめに管理する。

・発生中は、菌床を乾かさないように注意する。

なめこ発生の写真


・暖房開始後は、菌床への直接散水を控え、床への散水等で室内の湿度保持を図る。
・収量は2.5kg菌床で、700~900g。

※散水管理で栽培を行うことから、病害の感染を防止する目的で、害菌等の発生した菌床は早期に取り除くように留意する。

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。