株式会社キノックス

はたけしめじの空調栽培・ビン栽培法

【はたけしめじ】
空調栽培はたけしめじの画像

はたけしめじは菌根菌と考えられた時期もありましたが、木材腐朽菌であることが判明してからは、人工栽培化に向けた研究に拍車がかかり、本格的な空調栽培が普及しつつあります。
栽培に当たっては、他の人工栽培きのこ類に比べ、種菌の発菌・活着が極めて遅いことから、培養初期における害菌類の混入と芽出し時の乾燥に、特に注意が必要です。(栽培方法の特許出願中)
◆はたけしめじの詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
KX-HA092号
50~60日間
空調施設による周年栽培と自然栽培の両用タイプ
種菌850cc

※当社で取り扱っております、はたけしめじの品種に関しましては、
 こちらを御覧ください。


1、培地調製

・培地基材としては、スギオガコ:コーンコブ=8:2(容積比で、コーンコブの添加量は約50g/ビンが目安)に混合して使用する。
・栄養源としては、小麦粉入りフスマ:ネオビタスN=12:3(重量比)の割合で混合し、培地総重量の15%を添加(80~85g/ビンが目安)する。
・含水率は、68~69%に調整する。
培地撹拌用ミキサー画像
培地撹拌用ミキサー

 

2、充填

・培地の充填量は、850ccブロービンに540~560g(内容量)となるように充填する。
・押圧後の培地の高さは、接種した種菌をキャップで押し込む程度に通常よりも高めに調整する。
充填機画像
充填機

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。(常圧殺菌の場合は、培地の急冷に留意)
・戻り空気による吸い込み汚染に注意する。

 

5、接種

・種菌の接種量は、1ビン当たり25cc程度を目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで約32本に接種する。(害菌類の混入を防止する目的で、培地表面全体に接種する)
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、20℃の一定温度で培養する。温度管理は、ビン間温度での管理を基本とする。(ビン間温度を23℃以上にしない)
・湿度は、60~70%で管理し、培地表面の乾燥には注意する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、50~60日間で、菌糸蔓延が完了する35~50日経過後、更に10日間の熟成管理を継続する。
・熟成中の乾燥には、特に注意する。(管理湿度:65~75%)
培養室画像
ビン間温度測定

7、菌掻き

・発芽の同調化を図る目的で、ブッ掻き法による菌掻きを実施する。
・菌掻き後は、注水処理を行わず、そのまま倒立芽出しへ移行する。
※はたけしめじは、菌床表面が乾燥すると発芽不良となることから、表面乾燥の場合は注水処理を実施する。


8、芽出し管理

・温度は、16~18℃とやや高めに管理する。
・湿度は、95%以上で管理し、特に菌糸再生までの3~5日間は乾燥に注意が必要である。
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、10~12日間で、倒立状態で管理する。(被覆芽出しも可能)


9、生育管理

・温度は、16~20℃で管理し、20℃以上には上げない。
・湿度は、90%以上で管理する。(常時高湿度環境とならないように注意する)
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、50~500Luxで、昼間のみ点灯して管理する。
・期間は、発芽確認後に正立状態へ戻し、15~18日間管理を継続する。
空調栽培はたけしめじ発生の画像



10、収穫

・菌傘に丸みが残っている状態で、株ごと収穫する。菌掻き後から25~30日目で収穫が可能となる。
・発生量は、1ビン当たり150~180gの収穫が可能である。
培養室画像

 

 

 

 

 

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。