きのこの雑学・きのこの豆知識
マツタケ


 国内におけるマツタケの発生量は、年々減産の一途を辿っています。原因については色々言われておりますが、石油やプロパンガスなどの普及により一般家庭におけるマキなどの木質系燃料の使用が激減したことが最大の要因とされています。つまり、里の赤松山に枝や落葉が堆積して土壌が富養化してしまい、マツタケ菌が繁殖できなくなってしまったからなのです。現在、マツタケの人工栽培化の研究は様々行なわれておりますが、結局人工栽培の一番の近道は、「山の手入れ」ということになりそうです。
 ところで、近年の市販マツタケのほとんどは輸入品であり、本来のマツタケとは異なるものが混在して販売されているのが実情です。中国からの輸入マツタケは最近農薬問題等でほとんど見かけることが無くなってしまいましたが、本当のマツタケの「香り」と歯切れの良さを味わっていただくためにも、輸入品の偽装表示にはくれぐれも注意したいものです。
 現在、輸入マツタケは大きく3つのグループに分かれると言われています。第1のグループは国産と遺伝子が同一であると言われているアジア産と北欧産に代表される「トリコローマ・マツタケ(ノーシオーサム)」で、朝鮮半島やフィンランドなどから輸入されています。第2のグループは「トリコローマ・マグニベレア」と呼ばれ、北中米産のマツタケで、北米やカナダ、メキシコなどから輸入されています。国産に比べ形がずんぐり型で色の白いことで区別可能な国産とは別種のマツタケです。第3のグループとしては「トリコローマ・アナトリカム」と呼ばれる地中海沿岸産のマツタケで、トルコやモロッコ、北アフリカなどから輸入されています。北中米産に比べ色的には国産に近いのですが、ヒマラヤスギに発生します。第2、第3グループに属するマツタケは「種」が異なることから形態や色などで比較的判別は容易ですが、もっとも問題となるのが国産と同種とされるアジア産のマツタケです。具体的には、チベット地域(四川省、雲南省、ブータン)や黒龍江省、吉林省、韓国、北朝鮮からの輸入品との区別が課題となります。森林総合研究所が最近開発した遺伝子(レトロトランスポゾン)の配列に着目した原産国判別技術によれば、これらアジア産のマツタケが約95%の確率で識別可能となったとのことですので、産地を偽るなどの偽装表示の防止に役立つものと期待されます。
 因みに、国内においてもマツタケに似た仲間のきのこは3種類あります。「マツタケ3偽(義)兄弟」と勝手に呼んでいますが、素人目にはなかなか区別が困難なきのこ達です。「バカ」、「ニセ」、「モドキ」と呼ばれるきのこで、本物のマツタケと極めてよく似た形状をしています。「バカマツタケ」は赤松などの針葉樹に発生する本物のマツタケと異なり、広葉樹に発生するきのこで、マツタケと外観はほぼ同じ形状をしております。香りもむしろマツタケ以上に強いくらいで、本物のマツタケと同等の扱いが可能です。問題は残りの2つのマツタケで、「ニセマツタケ」と「マツタケモドキ」は本物と異なり、まったく特有の「マツタケ臭」のしないきのこです。ご存知の通りマツタケの「本命」はあの独特の「香り」にある訳で、香りのしないマツタケなどもはやマツタケとは言えません。スーパー等で市販されている輸入マツタケには、これら偽者のマツタケ近縁種がかなり多いように思われます。見分け方のコツは「柄の形状」と「香り」で区別することです。香りに関しては、輸入物のほとんどが店頭に並ぶ頃までには肝心の香りが無くなってしまっている可能性が高いのですが、柄の形状に関しては日数が経過しても変化しませんので、大抵は見分けることができます。本物のマツタケを見分けるポイントは、マツタケの柄の「根元」に着目し、柄の先端部が「丸み」を帯びているか、「尖り」状態かで識別します。つまり本物のマツタケは、先端部が「丸み」を帯びており決して細まって(尖って)はいません。第2、第3グループのマツタケ近縁種に関しては識別ポイントを十分にわきまえ、表示に惑わされることのない独自の鑑定眼を磨きたいものです。


(表1)マツタケ近縁種の区分
(表1)マツタケ近縁種の区分の画像


(図1)アジア産マツタケの原産国差異比較
(図1)アジア産マツタケの原産国差異比較の画像

マツタケの画像
本物のマツタケは、柄の先端部が丸みを帯びている。
(ニセマツタケとマツタケモドキは、先端部が尖っている。)




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