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Lentinula edodes ( Berk.) Pegler.

 しいたけはキシメジ科シイタケ属のきのこで、日本列島初め、朝鮮半島、中国、台湾や東南アジアからニュージーランドに至る環太平洋の温帯、暖帯、亜熱帯に分布する。原産地はアジアの熱帯高地であろうと推定されている。日本で最初に人工栽培が行なわれるようになった食用きのこで、日本人に好まれる核酸系の旨味成分(グアニル酸)の含有量が多いことから古来より広く好まれ、最も普及した栽培きのこである。学名は「江戸」の名に因んで命名されている。商業生産規模の人工栽培きのこ類の中では、唯一現在も原木による生産体制が継続して行われている。
 菌傘の大きさは4〜10cm、時に20cm以上になることもあり、傘色は茶褐色〜黒褐色である。傘肉は緻密で歯切れが良く、乾燥すると独特の香気(レンチオニン)を発する。 春、秋の2季にシイ、クヌギ、コナラなどの広葉樹の倒木や切り株に発生する木材腐朽性のきのこ(白色腐朽菌)である。日本を代表する食用きのこのひとつであり、人工栽培の技術がほぼ確立していることから、榾木(原木を使用した栽培)や菌床(オガコを使用した栽培)による栽培が盛んに行なわれている。
 原木栽培に比べ菌床栽培で生産されたシイタケは、香りや歯応えがなく食味的には劣るが、軽労働であることから、最近は全消費量の約70%が菌床栽培のしいたけで占められるようになって来ている。 コレステロール低下作用(エリタデニン)や抗腫瘍作用(レンチナン)などの種々の薬効成分を有することが知られている。
 「しいたけ」の学名については、1941年にSingerが本種をマツオウジの基準種である「Lentinus属」に置いたことから、長年Lentinusの属名が採用されてきた。しかし、1975年にPeglerが菌糸の肥大特性から「Lentinula属」を復活させ、また、1985年にはRedhead & Ginns らによっても木材腐朽型の違いから、本属の正当性が確認されていた。さらには、分子系統解析が進歩した近年の研究において、遺伝子レベルでの調査結果においても「Lentinula属」への変更(種小名は変わらず)が改めて確認されたことから、現在では本学名が採用されるようになっている。