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 Mycoleptodonoides aitchisonii( Berk.)Maas G. 

 ぶなはりたけはエゾハリタケ科ブナハリタケ属のきのこで、野生では秋に、主にブナの枯れ木や倒木などに多数群生して発生する、木材腐朽性のきのこである。子実体はほとんど無柄で、扇型をしており、傘の縁が薄く、鋸歯状を呈しており、菌傘の裏面には長さ3〜10mmの針状のヒダが密生している。
 学名は菌傘周縁部の波打った、傘肉の薄い鋸歯状の形状に因んで、また、和名は針状のヒダの形に因んでそれぞれ命名されたものである。一時期「カミハリタケ」の名称で呼ばれた時期もあったが、乾燥標本に基づいた誤った命名であることが判明し、本来の形態特性とは異なることから、ぶなはりたけと改名された経緯がある。
 東北地方では「カノカ」の愛称で珍重されており、香りと歯触りの良さから、古くから広く食用に供されている。独特の甘い芳香(成分は酢酸ブチルエステル)があって、肉質がやや硬めであることから、山の珍味としても親しまれている。
 最近の研究により、血圧降下作用ややまぶしたけ同様の神経成長因子の合成促進作用などを有していることが判明してきていることから、薬効面でも注目のきのこであり、空調栽培化に向けた研究が行なわれるようになってきている。