株式会社キノックス

まんねんたけの空調栽培・ビン栽培法

【まんねんたけ】
空調栽培まんねんたけの画像

まんねんたけは高温生のきのこ(発生温度20~30℃)であることから、発生温度を20℃以上に保つことで周年での栽培が可能です。一般的には、夏場対策として他の品目のきのことの複合栽培で行われることの多いきのこであります。まんねんたけ栽培においては、同一種菌であっても温度や湿度、あるいはCO2濃度や光などの生育環境条件の違いにより、発生するきのこの形状や成分が異なってしまうことから、機能性成分の安定したきのこを生産するためには、空調施設での栽培が適しています。
◆まんねんたけの詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
まんねんたけ(早生)
30~35日間
大葉、柄太長、赤黄褐色
種菌850cc

※現在、当品種は取り扱いを行っておりません。
※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
 こちらを御覧ください。


1、培地調製

・広葉樹オガコを使用し、栄養源としては、米ヌカ:フスマ=5:5(重量比)の割合で、培地総重量の10%となるように添加する。
水を加えて、良く混合する。
 1ビン当りの栄養源の添加量は、60~80g(850cc)が目安。
・含水率は、65%を目標に調整する。
オガコ置き場画像

 

 

2、充填

・培地の充填量は、850ccブロービンに560±10g(内容量)となるように充填する。
充填機画像


 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。
常圧殺菌釜画像
常圧殺菌釜


 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。(常圧殺菌の場合は、培地の急冷に留意)
・戻り空気による吸い込み汚染に注意する。



5、接種

・種菌の接種量は、1ビン当り15cc程度を目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで約60本に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、23~26℃で培養を行う(ビン間温度を30℃以上にしない)。
温度管理は、ビン間温度での管理を基本とする(室温は目安温度とし、ビン間温度との較差に注意)。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する(点検時以外は照明不要)。
・期間は、20~25日間。
ビン培養画像



7、芽出し管理

 キャップを1度取り外して半乗せ状態とし(発生操作)、菌掻きは行わずにそのまま芽出し管理に移行する(菌掻き操作は発芽遅れの原因となり、逆効果となる)。
・温度は、20~25℃で管理する(30℃まで発生可能)。
・湿度は、70~80%とやや乾燥気味に管理する。
・CO2濃度は、2,000~3,000ppm以下で管理する。
・照度は、30~100Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、7~10日間で、キャップを半乗せした状態で管理する(キャップ芽出し)。
※原基形成を確認次第、キャップを除去して順次生育管理へ移行する。)
キャップ芽出し画像
キャップ半乗せ状態での芽出し管理



 

8、生育管理

 形成された原基がキャップに接触する頃になったら、キャップを除去してそのまま原基の生育を促進させる。
・温度は、20~25℃の範囲で管理する。
・湿度は、70~90%で管理する(生育温度が高いことから、乾/湿の湿度較差を大きく付けて管理する)。
・CO2濃度は、芽出し同様、2,000~3,000ppmとやや高めに管理する。
※まんねんたけはCO2濃度により形状が大きく変化し、CO2濃度が高い場合は傘が小さくて柄の長いきのこに、逆にCO2濃度を低くすることで傘の大きな形状のきのこに生育させることができる。
・照度は、200~500Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、キャップを除去した後、40~50日間管理を継続する。
発生全景画像



 

9、収穫

・菌傘周縁部の色が黄白色から茶褐色に変色し、胞子飛散が始まる頃まで充分に成熟させてから収穫する。
・発生操作から、50日間程度で収穫が可能となる(生育温度等により、収穫日数は異なる)。
・収穫したきのこは、傘上面の胞子を洗い流し、完全に乾燥させた状態で保存する。



 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。