株式会社キノックス

ヒマラヤヒラタケの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)

【ヒマラヤヒラタケ】
空調栽培ヒマラヤヒラタケの画像

ヒマラヤヒラタケはうすひらたけ同様、世界中で広く人工栽培されているきのこで、発生の温度帯に幅があり、高温でも容易に発生するきのこであります。形態的にはひらたけよりもやや大型で傘肉もしっかりしていることから、今後の消費の伸びが期待されています。栽培面においては、うすひらたけ同様に従来のひらたけ栽培の温度管理で菌糸の生育が良好なことから、基本的な栽培管理方法はひらたけの空調栽培の場合とほぼ同様であります。
◆ヒマラヤヒラタケの詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
ヒマラヤヒラタケ
30日間
暗灰褐色、ひらたけよりも大型、
高温での発生が可能
種菌850cc

※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
 こちらを御覧ください。

自然栽培におけるきのこの仕込み時期は、害菌の混入を防止する目的で、空気中の浮遊菌数の少ない2~4月に行う。特に、降雪量の少ない年は、殺菌終了後の放冷工程において害菌類が混入しないよう慎重に作業を行う必要がある。

1、培地調製

・堆積したスギオガコを使用し、栄養源としては、フスマ:ネオビタスHM=14:6(重量比)の割合で、培地総重量の20%となるように添加する。
 1ビン当りの栄養源の添加量は、100~120g(850cc)が目安。
・含水率は、65~68%に調整する。

 

2、充填

・ 培地の充填量は、850ccブロービンに480~500g(内容量)となるように充填する。
・ 充填の高さは、種菌を接種後にキャップとの間に5mm以上の空隙が出来るように填圧の高さを調節する。

 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
 釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌釜の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染には注意が必要である。



5、接種

・種菌の接種量は1ビン当たり約10ccを目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで90本程度に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、22~23℃で培養を行う。(ビン間温度を26℃以上にしない)
培養管理はビン間温度と室内との温度較差に留意し、ビン間温度での管理を基本とする。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、25~30日間。(培地組成により異なる)



7、菌掻き

・発芽の同調化を図る目的で、必ずブッ掻き法による菌掻きを実施する。
・菌掻き後は、2~3時間の注水処理を行う。ただし、菌床への注水操作は、高温となるような場所を避けて管理する。
・菌掻き機は、作業の都度必ず清掃と消毒を心掛け、専用の部屋を設けて実施する。(掻き出し作業との混同を避ける)


 

8、芽出し管理

・温度は、16~20℃で管理する。
・湿度は、90%以上で管理し、乾燥に注意する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、5~7日間で、倒立状態で管理する。(被覆芽出しも可能)
※芽出し温度はうすひらたけ同様に25℃以上でも可能であるが、生育時の菌床の罹病や害虫被害等を考慮し、うすひらたけよりはやや低い16~18℃で管理する。



 

9、生育管理

・温度は、10~26℃での範囲で生育が可能である。(理想の管理温度は14~18℃)
・湿度は、70~90%で管理する。(高温時は出来るだけ「乾/湿」の湿度較差を大きくつけて管理する)
・CO2濃度は、1,000ppm以下で管理する。
ひらたけ同様、CO2濃度には敏感なきのこであることから、換気管理には充分に留意する。
・照度は、100~500Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、発芽確認後に正立状態へ戻し、6~8日間継続して管理する。
うすひらたけ発生画像

 

 

10、収穫

・菌傘が凹型になる前(菌傘の大きさ5~8cm)に、株ごと収穫する。
・菌掻き後から10~15日目で収穫が可能となる。(生育温度により収穫日数は異なる)
・1ビン当たりの発生量は、100~120gである。
ヒマラヤヒラタケパック画像

 

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。