あらげきくらげの自然栽培・原木栽培法(長木)
【あらげきくらげ】あらげきくらげは、中華料理では馴染みのきのこですが、そのほとんどは中国などからの乾燥品の輸入で賄われています。しかし、生のきくらげはゼラチン質で、独特の食感を持った大変に美味しいきのこであることから、サラダ感覚で食する新しいきのことして期待されています。原木による自然栽培では、きのこがシーズンオフの夏に発生することから、時期外れの自然の恵みを楽しむことができます。
◆あらげきくらげの詳しい情報◆
品種
|
発生温度
|
特長
|
販売品目
|
KX-AK12号
|
14~30℃
|
大葉、厚肉、濃紫褐色 |
種菌1500cc
種駒500個/瓶 |
※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
こちらを御覧ください。
1、原木の種類
自然界ではニワトコの木によく発生するが、ブナ、ナラ、カエデ、ハンノキ等、一般広葉樹であれば樹種を選ばずほとんど栽培が可能である。
2、伐採と玉切り
原木の伐採は他のきのこと同様、樹木の栄養分が多く、活動停止期でもある11~3月までに行う。 伐採した原木は、ただちに90~100cmの長さに玉切って、生木状態で接種を行う。きくらげ類はしいたけなどと異なり、生木状態で接種した方が発生良好となる。
3、接種
接種は、3月下旬までに行うようにする。ドリル、穿孔器を使用して、原木に孔をあける。孔の数は、1mの原木で切り口直径の4倍を目安とする(直径10cmであれは40ケ)。種駒あるいはオガ菌を接種した後は、種菌が乾燥しないように封蝋でフタをする(種駒の場合でも封蝋処理が理想)。
※種菌の接種数は、同じ列に多く植えるよりも、列数が多くなるように接種した方が効果的である。
4、仮伏せ
接種が終了した原木は、3~4段の薪積みにして一度散水を行った後、ビニールシート、コモ、段ボール等で被覆し、菌糸の活着・伸長を促すように管理する。なお、乾燥気味のときは、期間中に適宜散水を行う。あらげきくらげの菌糸は低温で伸長が遅いことから、仮伏せ管理は温かい場所を選んで、必ず行うようにする。
5、本伏せ
本伏せは、排水が良好で、直射日光の当らない、散水管理の可能な林内に伏せ込む。伏せ込み方法は、枕木に一方の榾木を乗せる低いヨロイ伏せ管理とし、榾木間隔は、収穫に支障のないように10~15cm開けて伏せ込むようにする。
6、きのこの発生と収穫
きのこの発生は、接種年内の7月下旬頃から始まるが、翌年からは、春から秋までの長期に渡って降雨の都度発生するようになることから、収穫適期を逸しないよう注意が必要である。5~8cmの大きさに生長した時点で収穫するが、高温時は害虫等の被害を受け易くなることから、早めの収穫を心掛ける。
きのこは木口の周辺を主体に短期間で発生するようになるが、期間は榾木の太さに関係なく、1~2年と他のきのこに比べると極めて短い。
そのため、原木による栽培は、商業(販売)用としては不向きである。