ひらたけ(シメジ)の自然栽培・菌床栽培法(箱)
【ひらたけ】 ひらたけは自然では秋から早春にかけて広葉樹の枯木等に群生するきのこで、人工栽培のものは「シメジ」の名称で馴染まれています。最近は、空調施設による周年栽培ものが主流をなしていますが、味・歯触り等の点から、箱・ブロック・短木栽培ものも依然として人気が高いきのこです。
◆ひらたけ(シメジ)の詳しい情報◆
品種
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発生温度
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特長
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販売品目
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H64号(早生)
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10~20℃
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濃い紫色 |
種菌1500cc
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H67号(早生)
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10~20℃
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濃い紫色(空調栽培用) |
種菌850cc
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※その他のひらたけの品種の特性に関しては、こちらを御覧ください。
自然栽培におけるきのこの仕込み時期は、害菌の混入を防止する目的で、空気中の浮遊菌数の少ない2~4月に行う。特に、降雪量の少ない年は、殺菌終了後の放冷工程において害菌類が混入しないよう慎重に作業を行う必要がある。
[ひらたけの箱栽培法]
1、培養基の作り方
オガコ(広葉樹):米糠:フスマ=10:1:1(容量比)の割合、 重量比の場合は、水を加えた培地総重量に対して10重量%(米糠5%:フスマ5%)となるように混合(空練り)する。
水を加えて良く混合する。
※水分は出来上がった培地を強く握って、指間から水が滲み出る程度(62~63%)に調整する。
2、殺菌と箱詰め
常圧殺菌………培地内温度98℃以上で、4時間実施する。
箱詰め殺菌法…箱にシート(耐熱ポリ)を敷き、培養基を7~9cmの厚さに詰め、24ヶ所程度の穴を開けてシートで包み、箱ごと培養基を殺菌する。
バラ殺菌法……調製した培養基だけを先ず殺菌し、熱いうちにシート(普通ポリ)を敷いた箱へ殺菌済みの培養基を詰めて穴を開け、シートで包み込む。
3、接種
完全に消毒した接種室で行う。培養基の温度が20℃以下になるように急冷した後、接種する。シートを開き種菌を菌床表面全体にバラ蒔き(120cc)、シートを再び元通りに折り込む。(接種作業は害菌の侵入を防ぐため、素早く行うことが大切である)
4、管理
清潔で空気の流通が良く、直射日光の当たらない場所で管理する。
【仮伏せ】
重箱積み、十字積み等で菌糸の活着をはかる。
【本伏せ】
菌糸が培養基の1/2程度に繁殖する4月頃には、酸欠・高温等による障害が考えられるようになることから、レンガ積み又は棚差しに切り替えて通気を図るようにする。
夏場は、高温による「ムレ」障害が出やすいことから、必ず28℃以下に抑えるように注意する。
※梅雨明け後、床割りを行い菌床内部への酸素供給を図ることで増収が可能となる。ただし、発生期までシートは絶対に剥がさないように注意する。
5、発生と収穫
・気温が18℃以下になると発生が始まるので、発生期の15~20日前には発生操作を行う。その方法はシートを持ち上げ、培養基に酸素を供給することで発生を促す。(菌床面からシートを切り除き、散水管理で発生させる方法もある)
※発生管理の方法として土伏せ法もあり、この方法は収量が多くなるというメリットを有する。(伏せ込み目安は、10枚/坪程度)
・室内湿度を85%以上に保つよう適宜灌水する。(発芽時点での灌水は控える)
・換気を十分に行わないと変形、奇形きのこの発生原因となるので注意する。
・気温が下がるに従い暖房を入れて発生させるが、酸素不足にならないよう気をつける。
・傘の直径が2~3cmの頃に株のまま採取する。