株式会社キノックス

うすひらたけの空調栽培・ビン栽培法

【うすひらたけ】
うすひらたけの画像

うすひらたけは、世界中で広く人工栽培されているきのこで、発生の温度帯に幅があり、高温でも発生が容易であることから、夏場の高温対策における省エネ栽培用きのことして、今後の栽培普及が期待されるきのこのひとつであります。栽培面においては、夏場に高温で生育管理を行なう場合、常時高湿度環境とならないよう、加湿管理に充分な注意を払う必要があります。
(※現在、当品種の取り扱いは行っておりません。)
◆うすひらたけの詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
うすひらたけ
25日間
灰白色、ヒラタケよりも高温での発生が可能

※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
 こちらを御覧ください。

1、培地調製

・堆積したスギオガコを使用し、栄養源としては、米ヌカ:フスマ=10:10(重量比)の割合で、培地総重量の20%となるように添加する。
 1ビン当りの栄養源の添加量は、100~120g(850cc)が目安。
・含水率は、65~68%に調整する。

 

2、充填

・培地の充填量は、850ccブロービンに480~500g(内容量)となるように充填する。
・充填の高さは、種菌を接種後にキャップとの間に5mm以上の空隙が出来るように填圧の高さを調節する。

 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
 釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌釜の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染には注意が必要である。

 

5、接種

・種菌の接種量は1ビン当たり約10ccを目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで90本程度に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、22~23℃で培養を行う。(ビン間温度を26℃以上にしない)
培養管理はビン間温度と室内との温度較差に留意し、ビン間温度での管理を基本とする。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、25~30日間。(培地組成により異なる)


7、菌掻き

・発芽の同調化を図る目的で、必ずブッ掻き法による菌掻きを実施する。
・菌掻き後は、2~3時間の注水処理を行う。ただし、菌床への注水操作は、高温となるような場所を避けて管理する。
・菌掻き機は、作業の都度必ず清掃と消毒を心掛け、専用の部屋を設けて実施する。(掻き出し作業との混同を避ける)

 

8、芽出し管理

・温度は、16~20℃で管理する。
・湿度は、90%以上で管理し、乾燥に注意する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、5~7日間で、倒立状態で管理する。(被覆芽出しも可能)
※芽出し温度はひらたけよりも高温の25℃以上でも可能であるが、生育時の菌床の罹病や害虫被害等を考慮し、20℃以下での管理が無難である。

 

9、生育管理

・温度は、10~26℃での範囲で生育が可能である。(理想の管理温度は18~20℃)
・湿度は、70~90%で管理する。(高温時は出来るだけ「乾/湿」の湿度較差を大きくつけて管理する)
・CO2濃度は、1,000ppm以下で管理する。
ひらたけ同様、CO2濃度には敏感なきのこであることから、換気管理には充分に留意する。
・照度は、100~500Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、発芽確認後に正立状態へ戻し、4~6日間継続して管理する。
うすひらたけ発生画像


10、収穫

・菌傘が凹型になる前(菌傘の大きさ3~6cm)に、株ごと収穫する。
・菌掻き後から8~12日目で収穫が可能となる。(生育温度により収穫日数は異なる)
・1ビン当たりの発生量は、100~150gである。
うすひらたけ発生画像


 

 

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。