きのこの雑学・なめこの雑学 なめこ汁の美味しい作り方 なめこは特有のヌメリがあって癖がなく、舌触りとのど越しの良いキノコであることから、老若を問わず人気のキノコであります。機能性の面においても、ヌメリを取り除いた試験では効果が認められなくなってしまうことから、機能性のポイントは、粘液体(ヌメリ)にあると言えます。そのため、調理においては、ヌメリを逃がさない料理を心掛けることが何よりも大切です。なめこの特性を生かすための、ヌメリが多くて美味しいなめこ汁の作り方を紹介します。市販なめこをいっそう美味しく食べるためにやってはいけないことは、袋から直接沸騰した鍋に入れる行為です。見た目がきれいなのでつい遣りがちですが、これは、厳禁です。先ずは、①ザルに移してよく水洗い(酸味を洗い流す)します。市販のなめこの酸味は、乳酸菌が原因で、収穫後に水洗いし、時間が経過してしまうことでの乳酸発酵によるものです。本来の新鮮ななめこは決して酸っぱくはありません。乳酸菌は悪玉菌ではありませんが、酸味のために味が落ちてしまいます。柄の切り口の変色や包装した袋内の液の濁りなどを目安に、出来るだけ新鮮ななめこを見分けるようにして調理に使用するようにして下さい。酸味を無くすだけでも、美味しくなります。次ぎに、調理法ですが、初めに、②少量の水で乾煎りします。60℃前後の温度でなめこを乾煎りすることで、表面の細胞が破壊されてヌメリが出てきます。また、60℃の熱を加えることで、旨味成分の元であるグアニル酸を分解する酵素を早期に失活させることができます。これまでのなめこ汁よりもヌメリを多くし、旨味を増すための一番のポイントです。乾煎りした後は、③水から 60℃まで強火で加熱します。温度的には、キノコから気泡が出始める頃が目安です。短時間に 60℃まで昇温することで、乾煎り同様、旨味の分解酵素を事前に失活させることができます。その後、④60~80℃に達したら、弱火で 3 分間を目安に加熱します。この温度帯を長く保つことで、酵素の働きで旨味成分のグアニル酸が多く作られるようになります。80℃以上に加熱し過ぎると、グアニル酸を生成する酵素も失活してしまうため、加熱温度には注意が必要です。旨味成分が十分生成した状態になったら、次ぎに、⑤豆腐と刻んだ葉ネギを入れます。ネギの葉の部分にはグルタミン酸が多く含まれており、グアニル酸とグルタミン酸との相乗効果により、なお一層旨味が増すようになります。⑥ネギを入れたら、ひと煮立ちさせて火を止め、最後に味噌を解きほぐして入れれば、できあがりです。味噌により温度が下がることで、旨味成分が残って旨味の相乗効果が持続し、味噌の芳ばしい香りも残る美味しいなめこ汁がご賞味いただけます。 【なめこ汁の調理ポイント】 60℃まではグアニル酸も生成されるが、生成されてもすぐにグアノシンに分解されてしまう。しかし、60℃以上では分解酵素が失活してしまうため、旨味成分のグアニル酸が最大限に蓄積されるようになる。 ◆ きのこの雑学 目次ページへ戻る ◆
なめこ汁の美味しい作り方
なめこは特有のヌメリがあって癖がなく、舌触りとのど越しの良いキノコであることから、老若を問わず人気のキノコであります。機能性の面においても、
ヌメリを取り除いた試験では効果が認められなくなってしまうことから、機能性のポイントは、粘液体(ヌメリ)にあると言えます。そのため、調理においては、ヌメリを逃がさない料理を心掛けることが何よりも大切です。なめこの特性を生かすための、ヌメリが多くて美味しいなめこ汁の作り方を紹介します。
市販なめこをいっそう美味しく食べるためにやってはいけないことは、袋から直接沸騰した鍋に入れる行為です。見た目がきれいなのでつい遣りがちですが、これは、厳禁です。
先ずは、①ザルに移してよく水洗い(酸味を洗い流す)
します。市販のなめこの酸味は、乳酸菌が原因で、収穫後に水洗いし、時間が経過してしまうことでの乳酸発酵によるものです。本来の新鮮ななめこは決して酸っぱくはありません。乳酸菌は悪玉菌ではありませんが、酸味のために味が落ちてしまいます。柄の切り口の変色や包装した袋内の液の濁りなどを目安に、
出来るだけ新鮮ななめこを見分けるようにして調理に使用するようにして下さい。
酸味を無くすだけでも、美味しくなります。
次ぎに、調理法ですが、初めに、②少量の水で乾煎りします。60℃前後の温度でなめこを乾煎りすることで、表面の細胞が破壊されてヌメリが出てきます。
また、60℃の熱を加えることで、旨味成分の元であるグアニル酸を分解する酵素を早期に失活させることができます。これまでのなめこ汁よりもヌメリを多
くし、旨味を増すための一番のポイントです。
乾煎りした後は、③水から 60℃まで強火で加熱します。温度的には、キノコから気泡が出始める頃が目安です。短時間に 60℃まで昇温することで、乾煎り同様、旨味の分解酵素を事前に失活させることができます。
その後、④60~80℃に達したら、弱火で 3 分間を目安に加熱します。この温度帯を長く保つことで、酵素の働きで旨味成分のグアニル酸が多く作られるようになります。80℃以上に加熱し過ぎると、グアニル酸を生成する酵素も失活してしまうため、加熱温度には注意が必要です。
旨味成分が十分生成した状態になったら、次ぎに、⑤豆腐と刻んだ葉ネギを入れます。ネギの葉の部分にはグルタミン酸が多く含まれており、グアニル酸とグルタミン酸との相乗効果により、なお一層旨味が増すようになります。
⑥ネギを入れたら、ひと煮立ちさせて火を止め、最後に味噌を解きほぐして入れれば、できあがりです。味噌により温度が下がることで、旨味成分が残って
旨味の相乗効果が持続し、味噌の芳ばしい香りも残る美味しいなめこ汁がご賞味いただけます。
【なめこ汁の調理ポイント】
60℃まではグアニル酸も生成されるが、生成されてもすぐにグアノシンに分解されてしまう。しかし、60℃以上では分解酵素が失活してしまうため、旨味成
分のグアニル酸が最大限に蓄積されるようになる。