株式会社キノックス

やまぶしたけの空調栽培・ビン栽培法

【やまぶしたけ】
空調栽培やまぶしたけの画像
やまぶしたけは傘を分化せずに球塊状で、無数の黄白色の針を垂らす形状的には珍しいタイプのきのこです。神経成長因子の合成誘導促進作用を有する機能性物質などを含有するきのことして近年特に注目されるようになって来ております。栽培に当たっては、針を長く伸ばし、日保ち性の改善を図るためにも、生育温度を低めに管理することが重要です。
◆やまぶしたけの詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
KX-YB044号(中生)
30日間
淡白桃色、針太短、球塊中型
種菌850cc

※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
 こちらを御覧ください。

 

1、培地調製

・培地基材としては堆積したスギオガコを使用し、スギオガコ:コットンハル=64(重量比、55g/850ccビンが目安)の割合で混合して使用する。
・栄養源としてはとうもろこしヌカを培地総重量に対して15重量%となるように添加する(1ビン当たりの栄養源の添加量は8790g/850cc)。
・含水率は、6667%に調整する。
・pH調整は、特に不要である。

 

2、充填

・培地の充填量は、850ccブロービンに580600g(内容量)となるように充填する。
・充填の高さは、種菌を接種後にキャップとの間に5mm以上の空隙が出来るように填圧の高さを調節する。

 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌釜の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染には注意が必要である。

 

5、接種

・種菌の接種量は1ビン当たり約15~20ccを目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで60本程度に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、20~23℃で培養を行う。(ビン間温度を26℃以上にしない)
培養管理はビン間温度と室内との温度較差に留意し、ビン間温度での管理を基本とする。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、30~35日間。(菌糸が全体に蔓延次第、発生操作へ移行する)

 

7、芽出し管理

キャップを一度取り外して半乗せ状態(発生操作)とし、菌掻きは行わずにそのまま芽出し管理に移行する。(菌掻き操作は発芽遅れの原因となり、逆効果となる)
・温度は、18~20℃で管理する。
・湿度は、70~80%とやや乾燥気味に管理する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、7~10日間で、キャップを半乗せした状態で管理する。(キャップ芽出し)
※やまぶしたけはビン口にマット状の菌糸塊を形成し、それが原基へと生長することから、原基形成を確認次第、順次生育管理へ移行する。

 

8、生育管理

形成された原基がキャップに接触する前に、キャップを除去し、そのまま原基の生育を促進させる。
・温度は、12~14℃で管理する。(やまぶしたけの針は、低温で長く生長する)
・湿度は、80~90%で管理する。(やや低めの管理を心掛ける)
・CO2濃度は、1,500ppm以下で管理する。
・照度は、200~500Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、キャップを除去後、10日間程度管理を継続する。
生育温度は20℃以上でも可能であるが、温度を高くすることで、針が短く、腐敗病等の病害症状を誘発し易くなることから、高温下での管理は避けた方が無難である。(13℃以下で管理することにより、針の形成・生長が良好となる)
やまぶしたけ発生画像

 

9、収穫

・ 針が充分に延び切った状態で、株ごと収穫する。
きのこは初め「アワ状」の原基となり、そのアワ状原基が針状の「房」に垂れ下がり、房が充分に伸び切った所(胞子が飛散する前)で、株ごと収穫する。
・キャップ除外後、7~10日目で収穫が可能となる。(生育温度により収穫日数は異なる)
・1ビン当たりの発生量は、100~120gの収穫が可能である。
やまぶしたけパック画像

 

 

 

 

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。