きのこの雑学・きのこ驚きの秘密
傘の不思議な形

 きのこは秋の味覚の代表として、様々な種類が食用に供されています。しかし、その一方では毎年のように毒きのこによる中毒事故が発生していることも事実です。中毒の状況としては、死に至るような致命的な症状から神経系の異常、嘔吐や腹痛、更には下痢と言った胃腸系障害など種々の症状を引き起こすことが知られています。また、食用きのこであっても、食べ方や調理の仕方によって体に害となるきのこもあります。
 食中毒を引き起こす代表的な毒きのことしては、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、カキシメジが知られています。また、命に係わる猛毒なきのこの御三家は、ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマゴテングタケです。きのこによる中毒や死亡事故をなくすためにも、代表的な毒きのこについて、その成分や類似した食用きのことの見分け方のポイントについて説明したいと思います。
 日本に自生するきのこの種類は約10,000種で、内、食用可能なきのこは約1,000種と言われています。その内、特に好んで食用に供されるきのこの数は70種程度です。一方、毒きのこの数は年々増える傾向にあり、以前は30種程度と言われていたのですが、これまで食とされていたきのこが毒扱いになるなどして、現在では150種程度にまで増加しています。しかし、命に関わるような猛毒きのこに限定した場合には、数に大きな変化は見られず、十数種程度と固定しています。それゆえ、きのこ狩りを楽しむためのコツは、先ずは数の少ないこれら命に係る猛毒きのこを間違って採取しないようにその特徴をしっかりと覚えることです。
 毒きのこの鑑別方法に関しては、昔から各地にいろいろと言い伝えで残っています。柄の裂け方や傘の色、虫食いの有無などを判断の基準とするものですが、このような前時代的な迷信に満ちた鑑別方法は、一部のきのこには当てはまるものの、全てを判別できるような科学的根拠のない鑑別方法であることから、決して信用すべきではありません。怪しい知識に頼らず、絶対に安全と判っているきのこだけを採るのが、正しいきのこ狩りの楽しみ方です。近年ではDNA鑑定が容易にできるようになったことから、採取したきのこをより正確に判別できるようになりましたが、残念ながらDNAによる分子生物学的識別は一般人が簡単に利用できる手法ではありません。きのこ中毒を防止するためには、はやり毒きのこの特徴をひとつずつしっかりと覚える以外に方法はないのです。
 最近は食生活の欧米化により、きのこを生食に近い形で食べる人が多くなってきています。マスメディアなどでも、生食に近い調理法を推奨する番組が多く見受けられるようになっています。そのため、これまで食用とされていたきのこが「有毒種」に変更になってしまったケースも数多く存在します。日本における有毒きのこの数は、毒性の弱い種が主体になるとは言え、その数は現在では150種ほどに及んでおり、不明種の解明が進むことで、今後ますますその数が増加するものと思われます。近年推奨されている生食に近い調理法は、個人により量的制御や体質による解毒能力に差があるため、現在市販されているシイタケやマイタケのような馴染みの食用きのこ、さらにはマツタケのような古くから食用に供されてきた高級きのこであっても、何らかの形で中毒を起こしてしまう結果となってしまっているのです。本来の毒きのことは異なるこのような食用きのこでの中毒を防止するためにも、生食は避けて必ず十分に加熱してから食べるよう心掛けが必要です。以下に、これまでの毒きのこの鑑別方法として良く知られている「言い伝え」を整理してみました。

(迷信その1) 柄が縦に裂けるきのこは食べられる
 縦に裂ける代表的な食用きのこは、マツタケ、ホンシメジ、ナラタケなどです。逆に、猛毒のドクササコやニガクリタケ、ツキヨタケ、カキシメジ、イッポンシメジ、クサウラベニタケなどはすべて縦に裂ける毒きのこです。毒きのこで縦に裂けないものは、ニセクロハツとテングタケの仲間ぐらいで、数は極めて少ないのです。ハツタケ、チチタケ、アカモミタケ、イグチ類、マスタケなどのきのこは柄が縦に裂けませんが、美味しいきのことして親しまれている食用きのこです。

(迷信その2) ナメクジや虫が食べたきのこは食べられる
 ナメクジはツキヨタケなどを良く食べます。生き物によっては消化器系の構造が異なりますので、毒成分を消化、吸収する酵素を持っていないなど、「毒」に対する感受性がそれぞれ異なるため、安全性の証にはなりません。

(迷信その3) 地味な色のきのこは食べられ、派手な色のきのこは毒である
 ツキヨタケやコレラタケ、テングタケなど、ほとんどの毒きのこは地味な色をしています。毒きのこで派手なきのこは、ベニテングタケとカエンタケぐらいです。逆に、派手な色をしたきのこでも朱色のタマゴタケや黄色のタモギタケやキシメジ、紫色のムラサキシメジなどは食用となる美しいきのこです。

(迷信その4) 油で炒めると毒が消える
 高温の油で炒めたりすることで毒が溶出したり、苦味や臭いが消えることはあっても、毒成分が完全に分解されることはあり得ません。塩漬けによる毒抜きと同様、毒成分が完全に無くなる訳ではないことから、長年食べ続けることで肝臓や腎臓に蓄積するようになり、累積障害の原因となります。

(迷信その5) 茹でこぼして、塩漬けにすれば食べられる
 茹でこぼしてから塩蔵にすることで毒抜きの出来るきのこも僅かにありますが、多くの毒きのこの毒成分は茹でても、塩漬けにしてもなくなるものではありません。ニガクリタケは茹でこぼせば苦味は消えますが、毒成分は残っていたために死亡した例もある毒きのこです。

(迷信その6) ナスと一緒に煮れば食べられる
 ナスときのこは調理の相性が良いのですが、ナスには毒を分解するような万能な解毒成分などは含まれておりません。そのため、毒消しとしての根拠はなく、まったくの迷信であると言えます。

(迷信その7) 煮汁に銀のスプーンを入れ、変色しなければ食べられる
 ヨーロッパの毒きのこの見分け方の迷信ですが、日本の「ナス」同様まったく根拠はありません。スプーンなどの銀製品を変色させるような毒成分を持ったきのこは、報告例がなく、わかっていないことが多いのです。

(迷信その8) かじって、辛味や苦味のあるきのこは毒である
 オオワライタケやニガクリタケは苦味があり、ドクベニタケは辛味のある毒きのこです。しかし、キシメジ(食注意)やサクラシメジ、ウラベニホテイシメジなどは人気の食用きのこですが、味には苦味があります。また、ツチカブリ(食注意)は辛味のある食用きのことして知られています。そのため、苦味や辛味だけで食毒の判断を下すことはできません。

(迷信その9) 香りのよいきのこは食べられる
 マツタケやアンズタケ、ブナハリタケなど香りのよい食用きのこはあります。しかし、ドクササコやホテイシメジも香りは良いのですが、残念ながら毒きのこです。逆に、不快臭のするスッポンタケやキヌガサタケなどは優秀な食用きのこですので、苦味と同様に香りの良さだけで食毒の判断はできません。


(迷信その10) 味のよいきのこは毒ではない
 旨味成分であっても、食べ過ぎは毒となります。毒きのこで味のよいものには、ベニテングタケ、テングタケ、ハエトリシメジなどがあります。旨味の元はイボテン酸やトリコロミン酸と言ったグルタミン酸と類似の構造を持つアミノ酸ですが、摂り過ぎは神経系(中枢神経)に害を与えることから、摂取量には注意が必要です。







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