きのこの雑学・きのこ驚きの秘密
胞子拡散の工夫


 傘とヒダを形成するノーマルなきのこでは、子実体と呼ばれるミクロの生物である菌類から見れば巨大な構造物(きのこ)を構築し、その傘の構造(ベルヌーイの定理)やヒダに形成される胞子表面に付着する水滴(ブラーズ・ドロップ)を利用して、胞子をできるだけ遠くまで飛散させることができるようになっています。これとは対照的に、ホコリタケのようにまったく傘を形成しない球状の形をした「腹菌類」などのきのこでは、人(動物)の力を借りて胞子を飛ばすようにできています。動物に踏まれることや雨などの物理的刺激により、胞子を飛ばすのです。雨の粒を利用して胞子を飛ばす(はじき出す)きのこには、チャダイゴケやタマハジキタケなどがあります。
 また、スッポンタケのようなきのこでは、特有の臭いを発することで「ハエ」を呼び寄せて胞子を飛ばす(運ぶ)きのこもあります。スッポンタケ類のきのこは、「グレバ」と呼ばれる胞子を形成する部分にハエが好む特有の臭い物質を生成し、ハエを呼び寄せることでハエの足に付着させて遠くにまで胞子を拡散させるのです。なかには、草原に発生するシバフタケやハラタケなどのきのこのように、牛などの動物に食べられることで、胞子の発芽率が高くなるきのこもあります。動物に食べられることで胞子を拡散(移動)し、しかも、胃袋を通過することで生存のための胞子の発芽率が高くなるようにできています。
 さらには、ショウロなどの地下性菌においては、土の中であることから風や空を飛ぶ虫などは当てにできないため、地下棲動物の力を借りて上手に胞子を拡散(分散)させます。ショウロは成熟するとダンゴムシを誘うための特有の強い香り(トリフ様のガス臭)を発し、虫に食べられることで胞子を分散させているのです。このように、きのこはその形により風や雨、さらには動物に託すなど様々な方法で子孫繁栄のための「胞子」を飛散させる独自の工夫を凝らしているのです。

※ブラーズ・ドロップ
イギリス生まれのA・H・R・ブラーによって発見された現象で、担子胞子が射出される直前に小柄部分(胞子の付根)に吸湿性の物質を分泌することにより、空気中の水分を吸収して形成される水滴状の粒。この胞子の付根の粒へ胞子表面の水滴が移動する勢いを利用して、胞子が射出される。




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